【試合結果】 第98回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 1回戦 vs東海大学熊本

2018年05月26日 13:00 KICK OFF @香川県総合運動公園 生島メイン

多度津フットボールクラブ   東海大学熊本
2
0前半1
2後半1
0延長前半0
0延長後半0
4PK戦2
2

得点者(アシスト者)

6分 吉岡樹利也【東海大学熊本】
62分 藤田健吾(小田健伸)【東海大学熊本】
64分 梶山勝矢【多度津FC】
80分 梶山勝矢(三原圭太)【多度津FC】

警告・退場

【警告】瀧上優【東海大学熊本】
【警告】忰部寛明【東海大学熊本】
【警告】忰部寛明【東海大学熊本】
【退場】忰部寛明【東海大学熊本】
【警告】松島圭汰【多度津FC】
【警告】松島圭汰【多度津FC】
【退場】松島圭汰【多度津FC】

先発

ポジション 背番号 選手名
GK 1 川尻慶太
DF 13 中土井稔
DF 19 松島圭汰
DF 21 田代正人
DF 22 白井辰輝
MF 4 黒田慎一郎
MF 7 萬條智哉
MF 8 大山泰雅
MF 11 岡田倫太朗
FW 10 三原圭太
MF 26 梶山勝矢

控え

ポジション 背番号 選手名
GK 24 三木和也
DF 31 関隼人
MF 6 緒方俊寛
MF 18 藤本拓真
MF 15 中村優仁

選手交代

OUT IN
67分 22 白井辰輝 31 関隼人
74分 13 中土井稔 6 緒方俊寛
83分 11 岡田倫太朗 18 藤本拓真
110分 4 黒田慎一郎 15 中村優仁
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天皇杯
JFA全日本サッカー選手権大会
今年で98年の歴史を刻んできた日本最大のオープントーナメント。
3月の香川県サッカー選手権大会を勝ち抜き本大会の出場を決めてから約3ヵ月、いよいよこの日がやってきた。

今回で3回目の出場となる多度津FC、過去2回の出場は鳥取、愛媛でそれぞれガイナーレ鳥取、愛媛FCとアウェイで対戦したが今回はチームとして初めてのホーム開催、ピカラスタジアムではなく我々がいつも主戦場にしている聖地【生島】に決まった。
3月の県予選時から31番関、9番服部が県外転勤の為チームを離れたが両選手ともそれぞれの地でトレーニングを重ね、コンディションを維持しこの大会に照準を合わせたが、31番関は前々日の木曜日に香川入りしたが9番服部は仕事の為合流不可能となった。

会場となる香川県総合運動公園、通称生島メインは最高のピッチコンディション。いつもより少しだけ短く刈り込まれた緑の絨毯に香川県の気合が見え隠れする。

そして、この大一番の対戦相手は熊本県予選を勝ち抜いてきた【東海大学熊本】。一発勝負のトーナメント、全国で1勝という目標を掲げている我々はどこが相手でも目標に向かって邁進するのみ。

多度津FCの先発はGK1川尻、DFに13中土井、19松島、21田代、22白井。MFに4黒田、7萬條、8大山、11岡田、FWに26梶山、10三原の布陣。

前半開始。
開始から両サイドに展開してくる東海大学熊本、試合はいきなり動く。
前半6分、右サイドから入れられたクロスが直接ゴールに吸い込まれる。開始早々いきなりの失点【0-1】
まだまだ始まったばかり、気を取り直して行こうと声がかかる。
前半10分、11岡田がボールをを奪い26梶山へ梶山はペナルティエリア前で一人交わしてミドルシュートを放つが枠の外。
予想通り徹底してサイド攻撃を仕掛けてくる東海大熊本、右サイド13中土井、左サイド19松島が体を張って阻止する。
相手の小刻みなパス交換からのサイド攻撃に中々ボールを奪えず守備の時間が続きボールを奪う位置も自陣深くになりカウンターが打てない。しばらく膠着状態が続く。
26分、相手のパスミスを11岡田がカットしカウンター、10三原に預けると三原から右サイド26梶山へ、梶山はダイレクトでゴール前に入れ11岡田が飛び込むが僅かに合わず奥に詰めていた4黒田も届かない。惜しいチャンスを逃す。
この後何度か両チームチャンスが訪れたがゴールには届かず前半はこのまま終了、0-1で折り返す。
後半開始。
前半は引いて守りすぎたため高い位置からのプレスに変更すると徐々に流れが向いてくる。
50分、10三原の突破をファウルで止められペナルティ角付近からのFK。26梶山が鋭いボールを入れ22白井、10三原、21田代が全力で飛び込むが僅かに合わず。
チャンスは続く。51分、右サイドを岡田と中土井で崩すと中土井が中央へクロス、ゴール前大山が後ろ向きで落とし三原へ、三原はドリブルでペナルティへ持ち込むと相手DFはたまらず足を出し三原が倒れる。主審はペナルティスポットを指す。多度津にPKのチャンス。PKのキッカーは10三原、三原はゆっくりとした助走からゴール左隅を狙うが相手GKが完璧に反応、PKを阻止。頭を抱える三原。
ここから流れが東海大熊本へ、立て続けにサイドからクロスを上げられるがGK川尻、21田代が体を張って凌ぐ。
しかし62分、ゴールキックのこぼれ球が多度津DFの裏に流れると相手FWに拾われそのまま独走、21田代も懸命に体を寄せるが詰めてきたGK川尻も交わされゴールを決められる【0-2】痛い2失点目を食らってしまう。
残り時間30分弱。
直後の64分、中盤でボールを奪った26梶山がそのままドリブルで侵入、スピードに乗った梶山はそのままペナルティに侵入すると相手DFはまたしてもファウル。多度津2度目のPKゲット。倒された梶山はそのままボールを拾いセットする。静まり返る会場、梶山はゆっくりとした助走から誰しもが予想しなかったふわりとしたボールをGKの飛んだ後に蹴りこみゴール。0-2の場面からあのボールを蹴れる梶山のメンタル・・恐ろしい。
1点返した多度津は67分22白井に代え31関を投入。
74分には消耗激しい13中土井に代わり6緒方を投入。やはりDF陣は相当消耗している。
80分、チャンスが突然訪れる。右サイドで受けた10三原から中央へロングパス、前に出てきたGKが一度は難なくキャッチしたがまさかのこれをこぼしてしまう。このこぼれたボールを26梶山が拾い無人のゴールへ流し込みゴール!!。試合は2-2の振り出しに戻る。
83分、11岡田に代え18藤本を投入し最後のチャンスにかけるが両チーム決定機を作れずこのままタイムアップ。15分ハーフの延長戦に突入。
延長前半開始。
90分を戦い体力の消耗が激しい多度津FC、引いて守りカウンターに賭けるが延長前半10分右サイドバックの19松島がこの日二枚目のイエローカードで退場。多度津FCは10人となる。右サイド松島の所に18藤本が落ち対応、東海大学熊本の猛攻を受けるが延長前半はこのまま折り返し延長後半へ。
延長後半開始。
耐える時間が続く多度津は延長後半5分、4黒田が負傷交代、15中村優仁が入る。
東海大学熊本は攻撃の手を緩めない、両サイドからのクロスを31関、21田代が懸命に弾き出す。12分、決定的なシュートもGK1川尻が左手一本で弾き出す。
13分、相手選手が2枚目のイエローで退場、同数に戻るが東海大学熊本の勢いは止まらない。延長後半アディショナルタイム、相手の決定的なシュートもポストが味方になり何とか耐え凌ぐ。そして耐えに耐えた延長後半残り時間後数秒、多度津に最後のチャンスが訪れる。26梶山がパスカットしカウンター、会場のボルテージが一気に上がる。ラストワンプレーに全員が最後の力を振り絞り駆け上がる。梶山は右サイド15中村にボールを渡すと中村のドリブルが一気に加速する、中村は1人2人とトップスピードで交わすと左サイド6緒方にパス、6緒方はダイレクトで中へ、このボールはGKが懸命にはじき返すがこぼれた所にフリーの26梶山が走りこむ、悲鳴とも叫びとも聞こえる声がスタンドから響き渡る。梶山は躊躇なく右足を降り抜くがDFがブロック、更にそのこぼれを中村が拾いゴールに迫るがシュートまで行けず試合はこのままタイムアップ、120分の死闘の行方はPK戦に持ち込まれた。
PK戦。この大会は通称「ABBA(アバ)方式」と呼ばれる新PK戦方式が採用されている。今まではA→B→A→B……の順に蹴っていたが、新方式ではA→B→B→A....となる。
この試合最後の円陣、全員で川尻を送り出す。GK1川尻慶太、いくつもの修羅場を越えてきた最年長が背中で語る。「俺に任せろ」と。
PKの先行は東海大学熊本。じっとボールを睨み続ける川尻。ゆっくりとした助走からワンフェイントかけ放たれたボール、飛びつく川尻、完璧な読みとセーブ!!川尻1本目を止める!!。こぶしを上げる川尻、スタンドが一気に盛り上がる。
多度津の1人目は26梶山、梶山はGKの逆サイドに強烈なボールを突き刺す。梶山成功【1-0】多度津の2人目は8大山、大山がPKを外した所を見たことない。いつもと同じリズム、大山はGKの逆を突き成功、試合後本人に聞くと蹴る瞬間にコースを変えたらしい【2-0】。東海大学熊本の2人目、長い助走から強烈なボールを左上に突き刺すがGK川尻は触っている【2-1】。東海大学熊本の3人目、ゴール左下隅に蹴られたボールを完全に読み切った川尻、右手に吸い寄せられまたしてもスーパーセーブかと思われたが勢いの残るボールが弱弱しくゴールに転がり込み成功【2-2】。多度津の3人目は21田代、交代した4黒田からキャプテンマークを託されている。田代は冷静にGKの逆を突きゴール【3-2】。多度津の4人目は10三原、ざわつくスタンド、ゆっくりと歩くような助走から試合中に外した同じコースに流し込む!!湧き上がるスタンド、笑顔のこぼれる三原【4-2】。東海大学熊本の4人目。外せば終わり、決めても5人目が決めればいい。3本全てコースを合わせている川尻、笛が鳴り少しの沈黙からゆっくりとした助走、ワンフェイント入れ放たれたボールはクロスバーに弾かれ枠の外に跳ね返る。
次の瞬間、選手もベンチもスタッフも川尻の元へ全力で走り出す。県予選と同じ光景、もみくちゃにされる川尻。多度津FC天皇杯初勝利!!!。

本当に沢山の応援ありがとうございました。
ホームで有料試合にもかかわらず230名を越える方にお越し頂きそして選手への力強い声援で後押しして頂きました。チーム目標を「全国で1勝」と昨年掲げましたが今回の勝利は我々の力だけではなく、協賛して頂いているスポンサー企業様や香川県サッカー協会、香川県総合運動公園、共に戦ってきたライバルチーム、そして応援して下さる全ての皆様のおかげです。次の対戦相手はサガン鳥栖!!四国リーグからJ1挑戦!!
最後にもう一度、本当にたくさんの応援ありがとうございました。

GK1川尻は試合後の新聞社のインタビューでこう応えていました。
「この勝利はチームが取ったのではなく香川県が勝ち取った勝利です」と。

この試合の写真は多度津FC公式Instagramで公開中。
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tadotsu fc 公式Instagram